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【コレ、お薦め!】 伝統工芸に触れてみよう 京都ものづくり塾のワークショップ
▲元素記号表をさしながら話をする「手染メ屋」の青木正明さん

 元素記号表を前に講義をする先生。すいへーりーべーぼくのふね、なんて暗記文が思い出されますが、さて、これはいったい何を教えているのかと言えば、実は自然素材を使った伝統的な染めについて。今回の「コレ、お薦め!」では「習い事」をテーマに、この一風変わった体験イベントを紹介します。
 中京区の麩屋町夷川にある天然染料の染工房「手染メ屋」で行われたこのイベントは、「作り手と使い手の橋渡し役」として、京都の伝統工芸を広く一般の人たちに伝えていく活動を10年前から行っている「京都ものづくり塾」の主催。今回は「伝統文様と色彩のワークショップ」の一環として、「かさねの色目~『櫨紅葉(はじもみじ)』染め」というテーマで開かれました。

▲ミョウバンを入れた水に染め上げるショールを浸す参加者

 一般的にはなじみの薄い「かさねの色目」という言葉。これは平安時代ごろから貴族装束で使われるようになった色目で、薄い衣を2色以上重ねて作り出した色で季節を表現するものです。また、十二単の袖のような、何種類もの衣が少しずつずれた重なり合わせをさすこともあります。今回は前者の意味でとらえ、今でいうエンジ色に近い「蘇芳(すおう)」と、少し緑がかった黄色の「苅安(かりやす)」の2つの伝統色でショールを染め、それを重ねることで「櫨紅葉」を生み出して初秋の雰囲気を味わってみました。

▲煮出した苅安を布で漉す。今回は7人用で量も少ないが、いつもは大鍋いっぱいで煮出すらしい。青木さんいわく「染色は力仕事です」

 参加者は関西圏外からも集まった7人。講師を務めた「手染メ屋」の青木正明さんの丁寧な説明と軽妙なトークに、真剣かつ和やかな雰囲気が漂います。今回は染料を鍋で煮出したり、その後それを冷ましたりという時間が多かったため、余裕をもって取り組めたようでした。待ち時間には「どうして染めにミョウバンを使うのか?」という話を化学組成式を示して説明したり、絹糸の構造説明をした後に「最近よく聞くシルクプロテインというのは絹糸についてるアミノ酸のこと。つまり食べられます」と言って粉末状のそれを舐めてみたり、単に染めの体験にとどまらない興味深い講義が繰り広げられました。まるで楽しい理科の授業を受けたような印象です。こんな先生がたくさんいたら、理系離れにも歯止めがきくのに。

 開始から4時間余り。鮮やかに染め上がったショールを手に、参加者はみな満足な表情を浮かべました。広島から参加した片桐郁子さんは「思った以上の出来栄え。体験はもちろん話も面白かったです」と話し、友人で東京から参加した石田暢子さんも「化学式など知らない昔の人が、最善の方法を当たり前のように使っていたのが不思議」と、伝統工芸の技術に感心した様子。また、今回男性で唯一の参加となった田仁省吾さんは「化学や歴史の話から染めにつながるのが楽しかったです。今度は自分の家でもやってみたい」と意欲をみせました。

▲見事に染め上がったショールを扇風機の前にさらして乾かす。予想以上の出来栄えに、思わず笑みがこぼれる

 「『かさねの色目』の世界は迷宮にも似た奥深さがあり、エライところに足を突っ込んだかも(笑)。これからも勉強していきます」と、講師を務めた青木さん。「京都ものづくり塾」と共催する次回ワークショップは、12月1日(土)を予定しているそうなので、興味のある方は下記アドレスをチェックしてください。

 また、「伝統文様と色彩」に関しては、図案塾が「日本の文様・色彩講座」を開講しています。京都の伝統工芸の真髄に触れてみたい方は、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

▲上が蘇芳色で下が苅安色。それが重なったところが「櫨紅葉」だ

 京都ものづくり塾事務局
 京都市中京区壬生森町13-34
 電話:075-801-7732
 URL:http://www.jca.apc.org/MONODUKURI/

 手染メ屋
 京都市中京区麩屋町通夷川上る笹屋町456-2F
 電話:075-211-1498
 営業時間:11時~19時 日曜定休
 URL:http://www.tezomeya.com/

 図案塾
 京都市山科区大塚西浦町13-3
 URL:http://kyoto-shunkoh.com/zuanjuku/
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