スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【コレ、お薦め!】 三世代、そろって浸れノスタルジー 京都府立図書館で教科書閲覧のススメ
▲「こくごのほん 1」(昭和23年検定 二葉図書)と光村図書の「しんこくご 1」

 「教科書か……何もかもみな懐かしい」

 いきなり名ゼリフのパロディで入りましたが、今回の「コレ、お薦め!」のテーマは「なつかしい」。夏という季節は、その気候がそうさせるのか、なぜかしら子ども時代のよかったころを想起させます。それは遊んだ思い出だけでなく、例えば夏休みの宿題や学校の勉強に対しても、同じような郷愁を抱かせてくれます。子どもや孫の宿題を見てあげた時に、自分が習ったことと似た内容を見つけて、当時の光景が頭によぎった人も少なくないのでは?

 その頭によぎった光景を、もっと鮮明に思い出させてくれるのが、京都府立図書館の教科書閲覧サービス。ここでは戦後の新検定制度以降の小学校教科書、約6700冊を所蔵、検索データ化しており、館内の検索システムで簡単に自分が習ったものと同じ教科書を閲覧することができるのです。一冊に絞り込むためには検索項目をたくさん入れていく必要がありますが、出版社や著者名(編集者名)まで覚えているというのはまれ。閲覧したい教科と年代を入れれば、その項目に該当したものをすべて持ってきてくれるので、宝探し気分で思い出の教科書と再会することも可能です。
▲地下の書庫に並ぶ教科書。教科、出版社、年代の順で整理されている。教科書は京都府総合教育センターで見本用として保存されていたものなので状態は良い

 案内していただいた府立図書館・資料課長の田中元美さんによると、親子、あるいは祖父母と孫といった組み合わせで利用する人が多く、中でも人気が高いのは低学年の国語と音楽の教科書とのこと。

「挿絵が豊富で印象に残りやすいのだと思います。あとは、まだ低学年のうちは勉強が純粋に楽しかったからかもしれません(笑)」

 実際、僕も自分が小学一年生当時に使っていた国語の教科書を見せてもらいましたが、「おむすびころりん」の影絵調の挿絵が目に入ったとたん、一気に25年前にタイムスリップし、その後はページを繰るより先に「確か下巻の最初は『くじらぐも』で、その後に『たぬきの糸車』の話があったはず」と、自分でも驚くほど鮮やかに内容を思い出すことができました。一方で算数や理科にはピンとくるものがなく、「この実験はやったことあるけど……教科書には覚えがないなぁ」という印象でした。

▲光村図書の小学一年生用国語教科書。右上の「かざぐるま」が、僕が小学一年生当時に使っていた教科書。懐かしさに震えた

 それでは、ノスタルジーあふれる教科書をいくつか見ていきましょう。尚、著作権の関係で昭和32年以降の検定教科書の中身は掲載できませんでした。

▲「さんすうのほん 第一学年用」(昭和29年検定 中教出版)
 小川で取った魚の数を数えるという教え方は、今ではなかなか実感しにくいかも

▲「一ねんせいのりか」(昭和26年検定 学校図書)
 アサガオの観察や押し花作りなど、今も続く学習方法が示されているが、子どもたちの服装や髪型に当時を感じさせる

▲「ひょうじゅん しょうがくしゃかい2年」(昭和29年検定 教育出版)
 米ができるまでを図示したものだが、代掻きから田植え、稲刈り、脱穀まですべてが手作業。最後のコマのちゃぶ台も懐かしい

▲上「一ねんせいのおんがく」(昭和27年検定 教育藝術社)
 下「よいこのおんがく 1ねん」(昭和30年検定 大阪書籍)
 「きらきらぼし」と「うみ」。今でも歌い続けられる童謡が載った音楽の教科書は、親子で一緒に見ても楽しい

▲「ずがこうさく」(開隆堂出版)
 略して「図工」の教科書。絵の具や紙粘土の匂いを思い出した

▲「しょうがくかきかた 1ねん上」(昭和31年検定 日本書籍)
 正しい姿勢と鉛筆の持ち方を示す「かきかた」の教科書。「かきかた」という教科があったこと、それ自体を忘れていた人も多いのでは?

 実際にこの教科書で習っていた人たちには懐かしさを、そうでない人にも当時の時代風俗を見ることができる、興味深い内容です。それではここでもう一冊、個人的に気になった教科書をご紹介。


 これ、何の教科で、何を勉強するためのページかわかりますか? 男の子と女の子が同じポーズで同じ場所にいる6枚の絵。説明文も何もなく、これだけ見ると非常にシュールです。

 これは、昭和26年検定の「りかのがくしゅう 一ねんせい」(学校図書)に掲載されたもので、日の出から日暮れまでの流れを描いているんですね。絵の明るさに変化があり、影の形が変わっていくことに気付くことができれば、あなたも小学一年生の理科はクリアです(笑)。

 また、数は少ないですが新検定制度以前の国定教科書も所蔵しています。

▲大正時代の尋常小学校教科書より「さるかに合戦」。擬人化された蜂、栗、臼の表情が味わい深い

 現在閲覧できるのは昭和60年前後までの小学校教科書のみですが、それ以降のものについても京都府総合教育センターから届きしだい整理を進めていき、また、中学校教科書約4000冊も年内には整理を終え、閲覧サービスが可能になるとのこと。ただし高校教科書約10000冊については「冊数が多く、教科も細分化するため現在分類方法から検討中」で、もうしばらく時間がかかりそうです。

▲京都府立図書館外観。平成13年の新館オープン後も明治42年創建の旧館の外観を残す。8月24日から1階で旧館の設計者・武田五一の足跡をたどる展示イベントを開催予定

 写真撮影のため、僕と田中さん、そして総務課長の境良嗣さんと3人で教科書をピックアップしていたのですが、探すそばから「これ懐かしいなぁ」「あ、この歌習いましたよね」「こんな実験やったやった」とはしゃぎまくり。初対面、しかも仕事としてやってきた3人がそんな感じでしたから、親子や友達でそれをすれば話が弾むこと間違いなし。「館内では静かに」というのが図書館の大原則ですが、思わず出た「なつかしい!」の一言は、ちょっと大目に見てください。

 「京都府立図書館」
 京都市左京区岡崎成勝寺町9
 電話:075-762-4655
 開館時間:火~土曜 9時30分~19時、日曜 9時30分~17時
 休館日:月祝、第4木曜、年末年始、特別整理期間
 ホームページ:http://www.library.pref.kyoto.jp/
 教科書閲覧は誰でも可(館外持ち出し禁止)、一般図書の貸し出しは図書カード作成後、同時に5冊2週間まで。詳しくは上記HPを参照
スポンサーサイト
copyright © 2005 京洛主義 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。