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【コレ、お薦め!】 おもちゃから学ぶ、日本の近代文化 「想い出博物館
▲大きなキューピー人形が目印の「想い出博物館」。入り口は昔ながらの駄菓子屋風でもある

 今回の「コレ、お薦め!」のテーマは「ミュージアム」ということで、嵯峨野にある「想い出博物館」へ行って来ました。静かなたたずまいが続く嵯峨野の地を化野(あだしの)方面へと歩き、二尊院を過ぎたところで突然目に入ってくる大きなキューピー人形が目印です。江戸から現代までのおもちゃと、世界中から集めたキューピー人形・グッズを展示しています。
▲ズラリと並ぶおもちゃの数々。「きちんと整理して展示するのもいいですが、おもちゃ屋さんのような雑然とした雰囲気を感じてもらえたら」と北川さん
 開館は昭和63年10月。正面にそびえる小倉山が、日本の玩具のはしりとも言える「小倉百人一首」とかかわり深いことが、この場所を選んだ理由の一つだとか。ズラリと並ぶおもちゃは館長の北川和夫さんが35年間にわたって集めてきたものです。

 「集め始めたころは、おもちゃ屋を回れば倉庫に昔のものが置いてあったものですが、最近はおもちゃ屋そのものが少なくなった上に流行の周期も短いので、そうしたルートではほとんど手に入れられませんね。あとは骨董品屋を回ったり、四天王寺などの朝市を回ったりしています」

 もともとおもちゃは使い捨てというイメージが強く、目いっぱい遊んで壊れたら捨ててしまうのが普通。もちろんおもちゃにとってはそれこそが本望なのですが、だからこそ残ることが少ないとのこと。そうした中で集められたものが時代ごとに展示されているのですが、おもちゃは子ども向けに作られるため、その時代を単純化して反映していることがよくわかり、興味深いです。

▲明治期のおもちゃ。汽車や自転車といった文明の利器がすぐにおもちゃに取り入れられている。作りが細かいのも特徴で、工芸品のような上品さがある。写真のブリキ製の汽車は、窓から顔をのぞかせる乗客の表情まで細かく描かれている。このころは明確なキャラクターグッズはなく、乃木将軍、東郷元帥といった実在する軍人が、今で言うウルトラマンのような位置づけで子どもたちの人気を集めていた。また、ままごと道具や模型飛行機なども作られ、現代のおもちゃの原型は既にこの時期に出そろっていた

▲大正期になるとキャラクター商品が登場。キューピー人形が世界的なブームとなるほか、日本のキャラクターグッズ第1号と考えられる「正ちゃん」が生まれ(写真右)、ひょうひょうとした丸めがねの「ノンキナトウサン」(同左)が大人気となった。博物館には今でも稼動する正ちゃんのキャラメル自販機も展示されている

▲昭和初期には「のらくろ」や「フクちゃん」などのキャラクターが生まれ(写真上)、さらに「シャーリーテンプル」や「ベティ」、「ミッキーマウス」などのキャラクターがアメリカから上陸。これらも人気を博すが、戦争が始まると状況は一変。日本製の人気キャラクターたちは軍服を着込んで銃を手にし、日独伊三国同盟を記念した人形や、その名もズバリ「米英撃滅ゲーム」といったものが出てくる(写真下)

▲戦後、国力が復興するとともにアニメと漫画が子どもたちに浸透すると、おもちゃの世界もそれらのキャラクターグッズが席巻していく(写真上は鉄腕アトムと鉄人28号)。また、日本製の人形やおもちゃが欧米向けに輸出されていくようになった。ちょうど今、中国や東南アジアで作られたものが日本に輸入されるのと同じ構図である(写真下がアメリカ向けに作られた日本製の人形)

 「日本人の遺伝子には『おもちゃ好き』というのがあるんじゃないですかね。江戸時代にはやった根付には、今の携帯ストラップや食玩に通じるものがありますし。おもちゃだけでなく、アニメやマンガといった創作物を作る風土が日本にはあるんです。国やマスメディアは、そういう部分をもっと大切にしてほしいですね」

 アニメ・マンガ好きの僕は、北川さんの言にうなずくばかりです。

 博物館の2階は世界的キャラクターのキューピーのコレクションが約3000点並んでいます。キューピーは1909年にアメリカのローズ・オニールが雑誌向けのイラストとして描いたことで誕生し、日本では大正5(1916)年に一大ブームとなりました。現在、2009年の生誕100年に向け、北川さんが主宰する「日本キューピークラブ」では、初めてキューピー人形を作ったドイツのオーアドルフ市などともに記念事業を企画しているそうです。

▲キューピー人形を抱く館長の北川和夫さん。着ているTシャツもキューピーだ

 「おもちゃは子どもの必需品。それを通じて物を大事にする心を育み、愛情を発露させていきます。そしてその気持ちは大人になっても忘れません。勉強も大事ですが、おもちゃで遊ぶことで知的好奇心がくすぐられ、子どもたちは無限に世界を広げていくんですね。おもちゃは感性を磨く媒体です」

 と北川さん。昔懐かしいおもちゃを見て、あなたも自分の想い出を振り返ってみてはどうでしょう?

 「想い出博物館」
 京都市右京区嵯峨二尊院門前往生院町6-5
 電話:075-862-0124
 開館時間:10時~17時 不定休(土日は開館)
 入館料:大人300円、中・高生250円、小学生200円
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